距離感 -4-

こどもたちと
いっしょにぶざける
あなたのことを
おぼえている
すこし不器用な
あなたのことを
おぼえている

笑って輝いている

時計をなくして
困り顔の
あなたの姿を
おぼえている
スーパーの前で
道を聞かれて
とまどいながら案内した
あなたの姿を
おぼえている

思い出す姿は
こんなに鮮明で

白いベッドで眠る
あなたの姿を
記憶に刻む
穏やかな表情を
記憶に刻む

何でこんなに
静かなんだろう

降りしきる時間の中で
立ちどまったあなたと
歩いてしまった私の間は
白く激しく埋めつくされ
お互いの姿を見失い
歩けばすぐなのに
こんなに遠い

伸ばした指先はこごえ

何でこんなに
静かなんだろう

投稿者

愛知県

コメント

  1. 距離感シリーズはこれで終わりです。お付き合いいただきありがとうございました。

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