さよなら、stigma。

stigma:負の印。烙印。汚名。恥辱。差別や偏見を誘引するようなネガティブなレッテルをつける社会的行為。

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家から歩いて行ける距離に海があった
海を眺めるのが好きだった
きらきら水面が光っていて
波の音が心地よくて
そこにイルカが迷い込んだこともあった

とおい昔話になってしまったようで
肌に爪を立てる癖がずっとぬけない
何もかもが怖くて漠然とした不安に襲われる

祈りは届かないものだと経験してしまった
時間以外は平等じゃないから残酷なんだと知ってしまった

だから夜は外の方が居心地がいいんだ

いろいろなものが心に刺さったまま抜けない
みんな傷を抱えて社会を生き抜いているけれど
僕はいちいち立ち止まってしまうんだよ

不器用に暗いことばかり吐き出していると
ゴミのような悪循環に飲み込まれていく

でも わかっている
呪いをかけているのは自分自身だと
そんなのとっくの昔からわかっている

失うことで付加される人生の深みなんていらないんだよって思いながら
この街のどこが好きかと尋ねられ涙をこらえ海と答えた

リセットできない世界で生きる僕らの
夢の中では救いのある主人公でいられますように

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