
現代音楽・トクタリテ
トクタリテすめる、トクタリテ一文のかけ流し
おいさらばえて、南大門の空襲警報、トクタリテ
イザヤ書の瓶詰にして火あぶりにして処する
トルクメニスタンの煉瓦工場に一宿の恩義ありてすめる
ただのすまいの焼かれた灰塵のこんにゃく畑での
保光殿の蛍光灯のちかちかとする幕末に
手にあぶらぬらりひょんに壁男する街燈のはじめ
ローマ、それはローマ、墓石にも彫刻する人達の
ぐずり、ぐらなだ、だらり、達磨の壁に出会うので
揚子江には働きつづける水車の径のはつはつの
トクシュ形態するこの姫虫の角つきあわせたりと言うばかりに
君も処方箋も一台のレースカーの助手たりて行く
かんのんとびらの背後教、かんのんびらきのザラトストラ
インダスの鏡開きのくいだおれの碾き臼である
ヤブキタ茶のひきだしにしまわれた香りのしみだして
かくありたれば、核は千島海峡にビンヅルソンジャの遺体を鎮め
カワラナデシコはみそぎする我の悔悛の介護計画
とおまわりする兵隊さんにはぎざぎざのピラミッドから
砲兵隊はどんっと撃つ、ヒューンと飛ぶのは
モスクワの屋根に白煙の立ちていぶかしげなるマリーキュリー
手首には発光するスズムシの声におびえて曇り空の
おおくはけん玉の糸に首しめられて、苦しい時間
我のいとどつれなくする本州の斜めに深刻なマブチ
モーターはクライスラーの車のエンジンから火を噴きだしている
その恐怖の仮面に糸と針とで耳の始まりを知る
墓石の下の空間はトナカイの脚に踏まれて
しだいに人間的訪問客を池の端へと招くのである
星月夜、わずかに光の届く本州の山深くして谷川に照るばかりの
裸足の大男の虫歯の奥歯にズキズキとするカモメの
いまは羽ばたきに音量が染みわたるべし
青酸カリに秘められている独自の仮説におびえ
青い天界のシグナルと言うものがしばらくの
霞たちに滞る不滅のシンジケート、その呼び出す時の歌で
彼等の別離が思えらくムササビの捕獲される森である
干からびている得体の知れない動物だけのクッションで
現金化する装置の名前が秘密としての現在であるもの
それらの偽りに常にわだかまりの実体としての今が
あてはまるおむすび街道の一里塚さえも
わたしにすりよるパンダ顔の男は誰だと聞く
どれもこれもと貨幣のシンボルが応える
幻想的思想のぶんぶんと鳴る。
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