はじまる前
何も決まってなどいなかった
朝も 夜も 祈りの形も
神が息を呑んだその瞬間を
おれたちは 今も歩いている
ビッグバンは嘘だった
世界はまだ爆発を選んでいない
ただ 吐き捨てられた咳のように
時間が からまわっているだけだ
宇宙から降ってくる
無数のビーム
裸眼では見えない破片が
面白いからと咲く花を貫き
全てを演出するかと
五大元素が回り出す
が
全部動き回ってるから
しかたない
これは観測される前の詩だ
誰かが見る前からすでに
そこにあった
それは今
宇宙に投げられた
名もない星の裏側で
誰かがふと
息をのむかもしれない
その時
もう一つの世界が始まる
その始まりに
俺たちは立ち会った
たったそれだけの事
通過を見たかい?
亡霊に近い真実
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