唇を押し付ける
もう逃げられないように

心の何処にも

ふわふわした説教
また神様か、と少し首を傾ける

濡れますよ

騒がないで
暴れないから

あなたの指が這っていく
妬みで鳴かされる

快楽というおまけ

老いさらばえた体で
探していたしんじつ

拾い上げてみればそれも

八重歯の感触だけで
薔薇のように綻ぶ

こんなことを囁くために
生きてきたのだろうか?

そのまま下へ

あなたは美しく微笑む
目を閉じるとみえる

私の腕の中で眠って

木漏れ日も潮風も知らないからだ

目を閉じるとみえる
聞こえないため息

爪先から触れる

沼地の貴婦人
時の形見

匂いは記憶に直結するらしいよ

私を憶えていて
灰になったからだも

愛して

何度も犯された
脳裏を過るのはいつも

なんだったかな

背筋も首筋もすき
鼻筋はいちばん可愛い

あの子よりもかわいい

夜が明けるまで傍に
置いていて

握り締めた拳
一本ずつゆびをほどいて

結んで

死んだら
一緒に天国に行こう

約束も果てる
また

しよう
何度でも

投稿者

神奈川県

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