月光が降る
僕が悪魔に抱かれてる間 君は神様にあやされでもしてたの
僕が悪夢に魘されてる間 君は神様とあやとりでもしてたの
正しいことが何か あの子は本当は分かってたのかな
伴侶を置いて何処の誰かも知らない相手をだまくらかして
そのことを自慢げに土産話として持ち帰っては僕を殴る
愛されないのが当たり前の世界なんだと思ってた
鳴かないなら指を口に突っ込めホトトギス
僕が悪魔に抱かれてる間 君は神様に抱擁でもされていたの
何処に居たって同じだったさ 首が挿げ変わるだけだ
君はもう僕の傍から離れないって約束してくれるのかい
意味もなく僕を傷付けて笑わないって覚悟があるのかい
ないだろう? 首が挿げ変わるだけだ
いや、僕は昔の様にはもう美しくないし、年も取ったから
そんな価値も無くなったっていうのはあるけど
ほんとに文字はいいな、完成されてて
君は神様の寵愛でも受けて産まれてきたの
僕は駄目さ ただ君の凛々しい背中を指を咥えて見てるだけ
僕が誰に抱かれたって君の所為じゃないさ
犯されたって、襲われたって、奪われたって、傷付けられたって、
僕に怒って欲しい? 翼を震わせて恐怖に目を見開いて欲しい?
君は傍にいてくれるって信じたいんだ
君は僕を本当に愛することができるって思いたいんだ
だからもう眺めるのはやめて 確かめられる指で好きな所から順に口付けて
僕が悪魔に抱かれてる間 君は気がおかしくなってしまったんだろう
君だって 僕だって同じようなもんさ だから僕の為に泣くのはおよし
僕はもう君以外の人には抱かれない 変な言い方をしてごめん
何かしてくれってことじゃないんだ 安心したいっていうだけで
君がもう僕の傷付く姿に激昂しないで済むんだって 思いたいだけで
君の愛の歌を調べて暮らそう 月が満ちるまで そして欠けて また満ちるまでの間は
君の愛の歌を 聞きながら眠ろう ひとりきりでも 月の光の下で ずっと
コメント