秋/みあげる

ずっとむかしの
波しぶきの化石を並べて
もう聞こえない声の数々は
糸を曳くように飛び交う

白く露出した骨は
もう痛みを感じないから
少しずつ折り取っていく
日記みたいな作業

遠くで
いくつも

火の花が

咲いて

淡くよごれた小鳥たち
いつか海の夢をみろよ
ふかい、ふかい藍の色
どこまでも潜れたらいいのに

投稿者

東京都

コメント

  1. 過去のことで実はいつまでも生はひっぱられません。昔さんざ泣いたとしても、今の涙は過去の事柄によってはなく今のこと。痛みはただ更新され、過去のものではないのだな。
    ただ人は過去と今とを結びつけて生きている。今の痛みも過去のものと。
    締めが体内回帰のようでその実、絶望に近いものを感じます。

  2. タイトルに「みあげる」とあって、最終行は「潜れたらいいのに」
    こういう持って行き方、とても好みです。

  3. 最終連が印象に残る。いつか海の夢をみろよが下であると気づけるようになった歳。藍は愛に空メされ。と、私見読解してみました(*ノωノ)

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