せっかちの夏
寝ているはずの寝室から
なにやらガタガタ物音が
春明けはまだ少し先なのに
夏の妖精はわくわくが止まらず
夜中にぱちりと目を覚ます
海に花火にスイカ割り
興奮冷め止まず
熱気は部屋の外にまで
見かねた春のお姫さまは
嗜めようと寝室へ
扉が開くや否や
夏の小人は颯の如く
外の世界へと飛び出した!
姫は驚き
大きな瞳をくるくる回して
すってんころりん
はしゃぐ小人は
大きな銀の太鼓を鳴らして
歌え踊れと囃し立てる
山も
海も
川たちも
太陽も
雲も
雷たちまで
全員参加の大祭り
ゴロゴロ バッシャン ピーヒャララ
ギラギラ モクモク ドンシャララ
疲れを恐れぬ夏の妖精
叫んで飛んでの大暴れ
祭りは続くよどこまでも
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