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角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水

速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌って
ほとばしる水
清々しさに眩んで
くだける水

人くさい水は
空に憧れたり
海を夢見たり
幾分ポエムだが

水くさい人は
生温い暗闇の中で
業にしたがう水を
ただ巡らせるだけ

投稿者

東京都

コメント

  1. 水は、詩になります。書き手の感性が表れる。
    最終連目、いいですね。
    業にしたがう水を/ただ巡らせるだけ

  2. 画面越しに水しぶきが降り注ぎそうな写真ですね! 人くさい水ってのも面白い。

  3. なんだかどきりとする作品です。
    いつも上手いなあ…と呟いてしまいます。

  4. なんかはじけるようにほとばしりたくなるようなお写真と表現ですね。水臭いこと言ってないで流れることに疑念もなく美しくさらけ出していくこの潔さ。読後の爽快感がハンパなかったです。

  5. @長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    そういえば水の詩はずいぶん書きましたね。
    私には水難の相があるので、そのせいかもしれません(笑)
    人は水がたんまり入った袋なのですが
    せめて何年かに一度水を総入れ替えできればいいのですけど。。。

  6. @たかぼ さん
    >コメントありがとうございます
    写真は井の頭公園でいつかの夏に撮ったものです。
    人にとって水はなくてはならないものですが
    水にとって人はどうでもいいどころか
    ちょっと迷惑な存在なのかもしれません(笑)

  7. @たちばなまこと さん
    >コメントありがとうございます
    何もテーマが思い浮かばない時
    つい、水とか、空とか、書いてしまいます(笑)
    いつも、温かく見守っていただき、感謝します。

  8. @ザイチ さん
    >コメントありがとうございます
    私の詩で涼んでくださったようで、本望です。
    ほとばしる水は綺麗な叫び声をあげているようですね。
    水の自在さは詩を書くものにとっての手本のような気がします。
    余計なことを考えずに流れるように言葉を綴りたいものです。

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