おおーい、助けてくれー

森を歩いている
森を抜け、草原に出た
空には三日月、心地よい夏の風が吹く

空間にきらめくものがある
月明りを受け、透明な階段が見える
地面から、空中に向け透明な階段は続いている
先は三日月に届いているようだ

と、そのまま階段を上がる
森が下に見え、街が下に見え、ネオンに彩られた地形が見える
三日月には、まだまだ到着しそうにない
お腹も空いた、脚も痛い
月の大きさは、ちっとも変わらない

階段から地表を見る

物凄い高さ、風の強い、気温も低くなってきた
くしゃみを数回、もう地表に帰りたい
そろそろと後ろを見ると、階段は消えつつある
進むしかない、スマホも圏外だ
仕方ない、行けるところまで行こう

成層圏にたどり着く
全身が凍え、呼吸は出来ない
意識が遠ざかる
月が、大きく見える
どんどん大きくなってくる

気付くと月にいた
もう帰れそうもない
地表に大きく
SOSと描いた
地球に向かって、大きく手を振る
おおーーーい、助けてくれーーー!

投稿者

大阪府

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