屋形船慕情
屋形船に乗りたい、と
あなたが言うので
わたしは台所に
船着場を作ることにした
ホームセンターや森で
材料を集めて
冷蔵庫は多少
使い難くなったけれど
何とか船着場が出来た
他の船等が来るといけないので
屋形船専用、の立札も作った
昔、仲間と一緒に乗ったんだよ
あなたは大層喜んでくれたけれど
なかなか屋形船は来なかった
近くに水辺がないことも
一つの要因かもしれない
それでもあなたは楽しみに待った
来ているかな、と
毎朝、船着場を見に来るし
一日に何回も
まだかな、と覗きにくる
がっかりすることなく
文句を言うこともなく
ずっと待っていてくれる
あなたはそういう人
そういうあなたが
わたしは好きだった
コメント
@雨野夜
いつもいつもすいません、ありがとうございます。
今回もすぐには発見できず、AIに手伝ってもらいました。
直ったはず、たぶん、、、
まずはお礼まで。
子どもの頃から家に川が流れている状況に憧れてたことを思い出します。
冷蔵庫が多少使いづらくなる程度なので広いお家の人なのでしょうね。
相変わらず不意の転調が「にくいねー」って感じで面白いです。
〈御用聞き〉というのがあったのですが、もしかしたら、御用聞きの人が小舟で来るかも知れない、少し〈小さな人〉であるかもしれない、ポエジーの菅笠をかぶって、やはり霧雨の日に。
@雨野夜
雨野夜さん、コメントありがとうございます。鳥や花の話ができる人って素敵だな、憧れます。お友達によろしくお伝えください。
@たちばなまこと
たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
家の中に川はありませんが、子供のころ、庭に池がありました。社宅だったのですが一軒家の庭の広い家で。高度成長期の良い時代だったんだな、と思います。
@坂本達雄
坂本達雄さん、コメントありがとうございます。小さな人が御用聞きに来てくれたらいいな。気づかないふりをした方がよいのかも。