Fantasie Impromptu

Fantasie Impromptu

老夫婦は 一杯のラーメンを
夫は 妻のために取り分ける
妻が食べ始めたのを見てから
自分も食べ始める フードコートの午後

微笑ましい光景と 思うかもしれない
老人の箸の先は震えて チャーシューが
テーブルに落ちる 淋しそうな眼
妻は 一心不乱にラーメンを啜っている

恋は 朽ちて行き先の読めなくなった
道標の先に 逆行する幻想を残して
夜更けの巴里に流れた ピアノの余韻

静置した泥水は いつか沈殿する
長い長い時間をかけて 静かになる
透明になった上澄みの向こうに 心地よく歪んだ情景

投稿者

奈良県

コメント

  1. まず写真、すばらしいな。構図も情報量も完璧に感じます。

    そして老人を思います。妻を思います。そして老人の心とこれからを思いました。
    なんともいえない余韻が残ります。

  2. すごいなあ…って思うのです。

  3. この詩とても好きです。

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