つぎはぎ
波打ち際をふたりで歩く
長いあいだ
こうやって歩いている気がする
君の顔は
見る角度によって全然違うね
ふとあなたは呟く
どの角度が好き?と聞いたら
全部好きと言ってくれるだろう
どこから見てもわたし
あたり前のことだ
それなのに
きゅうに
どうしてか心細くなって
手を繋ごうとするのだけど
わたしの手は
沖の方へと流されていく
砂浜には
いろいろなものが打ち捨てられている
かつては誰かのものだった
菜箸やおたま
赤ちゃんのおしゃぶり
書きかけの詩
エンゲージリング
つけられた名前
手は
落ちていないだろうか
繋ぎたくて仕方ないのに
コメント
手が流されて行った沖の方には何があるんだろう?足のつかない海の水面下から私に絡みついた手と照合させるようにこの詩の世界を味わってみました。砂浜は過去にしかないのだろうか。
つぎはぎ というタイトルの言葉が、この詩の内容にバッチシ合ってると思います。その心細さなどをうまく表現されているなぁ、と感じました。
ある意味、おいしい詩です。^^
@あぶくも
さん ありがとうございます。あぶくもさんの海の詩をこの前読み返しました。海は不思議ですね。人と人を繋げるものはなんだろう。安心している関係とはなにか。砂浜も言われてみたら、過去と、常に渇かなくて変わり続けてる部分と、足のつかない海…はなんだろう、怖くなってきました。
@こしごえ
さん、バッチン合ってるの?と思い、つぎはぎの意味を調べてみたら、本当に合っていました…不思議です。こしごえさんは、預言者か祈祷師、シャーマン?のようですね。