
詩人の唄
古いノートが 顔を出した
ありふれた言葉たちを 駆使して
青臭い恋を 描いてみたり
社会の歪みを 風刺したり
そんな拙い 一遍一遍(ひとつひとつ)が
僕の胸に 突き刺さってた
野心も燻りも 無くしかけ
現実と 折り合いつけた僕に
はじめて書いた 詩は憶えている
派手に怒りを ぶちまけただけの
殴り書きの 幼稚な詩だったが
確かにそこには ほとばしる
エネルギーがあった
古いノートが 顔を出した
今なら違う 言葉を選ぶ
知らず知らずに いつかの僕が
すごく愛しく 思えてきたんだ
そんな拙い 一遍一遍は
リメイクなんて しなくてもいい
野望と憤りに 満ちていた
あの日の僕の フォトグラフ
新たに書くよ ペンは錆びついても
今しか書けない そんな言葉がある
誰の役にも 立ちはしないだろう
それでもいいさ いつの日か
あたらな詩よ 僕に火をつけてよ
眠らされてた 想いを解き放って
僕さえ知らない 本心に
出逢う旅に出ようよ
古いノートが 顔を出した
夢の続きは 新しいノートへ
コメント
古い詩は、時を経て読むと、稚拙だし恥ずかしいです。でもその詩は、当時の精一杯なんですね。リメイクはしなくて、当時のまま残しておきたい。自身の記憶、宝になります。
コメントありがとうございます。まさにおっしゃる通りで、過去作品を納得する手直しをして、アーカイブを作ろうと考えたのですが、当時の気持ちはそのまま大切にして、新しく書くことにしました。