自殺
首吊りの森の奥に
無造作に 放置された誰かの亡骸は
まるで僕の姿を真似ていたので
イメージが恐怖に変わる瞬間
血管と電気コードの分別もつかなくなって
耳鳴りの隙間を縫う
小さな 小さな 本当に小さな衝撃で
時間と空間の位相が反転する
– ここから –
発狂寸前ランドスケープ
僕はまるでスケアクロウの片目で
超自然主義的な破壊から破戒への
墜落を舌先で味わっている
難解なエニグマの構造に対して
もちろん闘争ではなく
無節操な逃走と呼べばいい
全ての事象はカリカチュアとして成立する
さっそく裏側から登場 ドッペルゲンガーの脅迫
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
「キミは居なくていいんだよ」
– ここまで –
そう
生まれて初めて死んでいたんだ
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.022: Title by 聞]
コメント
「-ここから- -ここまで-」で私が真っ先に連想したのが、<! >で囲まれたHTML非表示です(正しいタグで書くと本当に非表示になってしまう)。つまりこの詩に書かれているその部分は本来非表示とされるべきということを表しているのではないかと。それは直前の「時間と空間の位相が反転する」という要請と、最後に明かされる「死んでいた」という状況にも応えた形となっています。
たかぼさんのコメントをみてなるほどなと思いました。
居なくていいから自殺するものなのだなと思いました。
エニグマとエミネムってどこか似てるなと思いました。
衝撃のタイトル。
“ 血管と電気コードの分別もつかなくなって”が印象に残りました。
身体に張り巡らされたものが電気コードの方だったら、と少し楽しくなりました。
色々と書いて消しましたけど。
誰かの亡骸は まるで僕の姿を真似ていたので//ドッペルゲンガーの脅迫、が その次元で「自殺」というのは、なるほど、と思いました。
そして、そう 生まれて初めて死んでいたんだ、ということから、ああ その通り、と生と死を思うことが出来ます。