隙間 〜遥かなる唐揚げ〜
給食の時間に落とした
わたしの唐揚げは
数十年も宇宙を漂っていた
「宇宙空間に謎の唐揚げが」
という報道で知った
写真を見ると確かに
あの日に落とした唐揚げと
同じ色と形をしていた
何処に届け出れば良いのだろう
警察は管轄外と言うだろうし
学校は廃校になってしまった
しかも夏風邪を拗らせて
誰かに連絡しようにも
声がうまく出ない
それよりも
さっき落とした唐揚げが
一向に見つからない
あちらこちらの隙間に
手を入れてみるけれど
曖昧なものばかり指に触れる
コメント
からあげ、キターーーーー!
しかし、この展開を誰が想像できようか。
たもつさんはもう何のお題でも唯一無二な詩に昇華してしまうのですね。すごい!
@あぶくも
あぶくもさん、読んでいただき、嬉しいです。あぶくもさんのコメントにあった、からあげ、から言葉の響きとインスピレーションをいただきました。
実はもう一つ、唐揚げを落としてしまった詩を書いたのですが、それはもう少し寝かせて、いずれまた。