解ける

私の知らなかった私が
夕方の青く仄暗い影の中で
うすくほほ笑んでいる
私は私の新たな闇に気付いた
このこころの闇を大きくすることはなく
この闇に明かりをともすと
ここのこころの闇がやわらかく
ぼんやりと
うすいほほ笑みといっしょになった。
「ありがとう」と相手と自分を思う
この言葉がこの時の
私のこころの明かりである

春の次に 夏が好き
せん風機を回して
氷の入った麦茶でのどをうるおす
この麦茶を飲む時
氷がカラカラッと鳴り耳に涼しい
こういう時に
私のこころの闇は
息をひそめているのであった。
ありがとうをともした
私のこころの闇を
じっとみつめると
私の知らなかった私が
夕方の青く仄暗い影の中で
うすくほほ笑んで
私は私になった
この闇もありがとうも
私の一部だ。
夜になると
星々が チカチカとささやきあい
星々の闇と私のこころの闇が解けあう
麦茶の氷を
ガリッとかみくだいた

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