幻月

明けてゆく砂浜で
君はゆっくりと
起き上がって

サーモンピンクに
染まりはじめた空に
目を細めて
笑った

あくびまじりに

その音色が
頬の隆起が
伸ばされた手が

真っ暗な夜から
いつも朝を
連れてくる

白く消えてゆく月から

わたしを
ここへと
連れ帰る

この感触は
きっと

夢じゃない

たとえ


だったとしても

投稿者

コメント

  1. 拝読しまして、トーク力はありませんがコメントを失礼いたします。
    一連目からの映像的な描写で作品へ惹き込まれてしまいます。
    特に、三連目と四連目の力強いタッチが好きです。
    そして
       この感触は
        きっと

       夢じゃない

     一読すると幻想的なやさしさに包まれた美しさを感じました。さらに
     再読すると、ひとつひとつの言葉が作者の心と密着して紡がれている、
     確かな輝きを感じました。
     そして七連目の、

          わたしを
          ここへと
          連れ帰る

     「ここ」を、読み解こうとするのではなく私は魅惑的な印象を受けました。
     さらっとした清涼感のある素敵な作品だと思います。^^

  2. @リリー
    さん、丁寧にお読みくださって、
    コメントまでありがとうございます。

    ちなみに「トーク力がありませんが」なんて、
    とんでもないです。
    いつも丁寧に読んでいただき、
    それだけでも幸せなことですのに、
    その上こちらが思い及ばないような視点から
    コメントを届けていただき、
    はっとすると同時に、とても嬉しく、
    かつ興味深く読ませていただいております。
    ありがとうございます!

    なんだか表現力が全然足りていない気がしますが、
    もったいないような素敵なコメントを
    ありがとうございました!

  3. 美しいイメージの連なりに心地よく翻弄されるようでした。

  4. @あまね
    さん、このたびはお読みくださって、
    コメントまでしていただいて、ありがとうございます。

    「心地よく翻弄されるようでした」と
    言っていただいて、なぜか少し照れながらも
    とても嬉しく読ませていただきました。

    そして「イメージの連なり」
    というお言葉、とても素敵な表現ですね。

    素敵なコメントをありがとうございました!

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