貧しさと愛と

三日に一度人が死に
二日に一度人が消える
森から獣が湧きだしてくる

僕は夜中に起き出して
君が笑える物語を書く

医者は訳の分からぬ薬をすり潰し
訳の分からぬ患者に飲ませ
お大事にと言ってすぐ帰す

愛を知らない生き物より
強い薬って何だろう
患者の体が生きてりゃいいのか

飲んでも飲まなくても
狂うのが遅れるだけだって
そう言って君は少し飲む

小さな花が咲いている
その花を手折ることが出来なくなっていく
君の中の優しさが
少しずつ大きくなることはないのかな

君は僕が君を見ていないと
そう思っているだろう
見ているよ
僕が君に上げられるだけの心を上げる
君がいつか気付くように願いながら

ペンは狩猟道具だ
やることは下働きだけど
物珍しいってからかわれてる
君を守れるかな
守っていけたらいいな

朝が別れを告げにやってくる
夜中に起き出して紅茶を飲む
君はいつもこれ以上ない位に笑って
僕の事を生きていいと言った

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 絶望を煽るような現実の中、君を想うささやかな優しさ、柔らかさが、気持ちに沁みました。
    小さな花が咲いている/その花を手折ることが出来なくなっていく
    このフレーズ、いいですね。

  2. 長谷川 忍さん

    有難うございます。
    子どもが男になり女になり、その過程でいろんなものを得たり失ったりする。
    正直生きていることが不思議なぐらいですから、いいことを書いていきたいです。

  3. 最終連に書かれているように、読み進めてゆくにつれ優しい夜明けに許されていきました。

  4. たちばなまこと/mさん

    自分自身を許してくれる何かがないと、人は壊れてしまうのかもしれないです。読んで下さって有難うございます。

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