
ヨークアマージ
シルビアの甘路、肩からの髪はながれゆく
はるかに薄いパピルスの容器にもたれて
サンザシはツル薔薇にしたしみを与えるか
イルリのこむらがえりする寝室に木漏れ日のかすかに
おおわれるつる草の一年につながれて
ヒワの声がするおおかんむり岬に霧はながれる
ほどよく、こたえて、さらに星々にはなたれる
ルメインの宝玉のつややかな質問である
藍型のしめされるこの仕事場に戸口より
霧はながれいり、コサックははねる馬の耳元に来て
哄笑する、わたしの放尿する、田園地帯に
ジャスミン模様の気高きミスミソウであるあなたへ
新橋の停車場から、記憶は童顔する
エンキエルの鶴首のフラスコに手はしなだれて
はやくも裳裾はノゲシの葉にとらえられたと言う
うすけむりのあがるこの野辺にきららの
あなたからしむけられた、エドカンゾウの花言葉である
ようやくルジアにこの回答と改変を伝えてよ
もだるく、えだもく、つるめんしまだむ
この辺境の地にしもたやは明るく宿場町です
けだるく、すだるんく、ミミカキグサは四面差家です
アイダホのトウモロコシ畑にあらわれる
なきおんな、なきやぎ、なきUFO
われわれの秘密の会議にすすけた梁が答えます
そむけた顔におうとつがあり
こんにゃく畑にシオカラトンボがとびこんでくる
あなたにすれば今日は祝祭であろうか
にぎられたこの飯にタバスコ
本土の消し込まれたチョークにそえられて
つるべの井戸に滝沢の昏睡する
えとせとらの岩倉卿に土地神の声がすると言う祭りの景色で
笹と裃で、おもほえらくば、新式である
この街道ぞいの序幕式である
えらくあついこの通天のひるさがり。
コメント