創世
自分自身の世界の扉を
そもそも概念から消して
かろうじて窓と天気だけを残し
引きこもりの神は詩を書いた
人々が余りにも争うから
人々が余りにも偽るから
人々が余りにも間違うから
人々が余りにも憎むから
神の住む大樹の周りには
信者が築いた社があって
収穫後には大きな祭をする
眠らない神は筆を走らせる
人々が余りにも眩しいから
人々が余りにも悲しいから
人々が余りにも苦しむから
人々が余りにも寂しいから
神が喜んだと信じている
窓の向こうの嬌声に微笑んで
神は行ったことのない外の
感謝と祭をじっと見ている
コメント
ひきこもってる神様っていうのはいいな。そのくらいの距離が人間にはいいと思う。
人間はそもそも神にすがったり求めたりしていたのではなく、ただ崇めていただけだと僕は思っています。
王殺しさん
育ってきた環境の中には、おぼろげな信仰心しかないというか、
ただなんとなく困った時に縋るものが、神様でした。
そんな、よく知らない自分にさえ、今では怪しい響きに聞こえるのが物悲しい所です。