三千世界の千円札

ごんぬずばぁ〜って入って来るのは
やめてもらえませんか?
カラータイマー ピコん
外の車がエンジン吹かしてる
アンニュイな午後
シャッターの閉じた商店街に
バンクシーが落書きした夢を見た

本日のお茶は 
特別なシャトーから
銭湯のペンキ絵みたいな
アイシーブルーな空の下
気にせず時間通りに 
やりたまってくれ
泡に消えた約束を
SOSボトルに詰めて
漂流させっか

海が僕たちを包み
聞き耳を澄ませばトンビの鳴き声
ウワバミからの脅迫と
透き通る白い肌
失くしたサングラスの向こう
思い出せない名前の浜辺

波の音がして
北斎燃やして遊んだ海岸
千円札の紙飛行機
三千世界の空に放った
誰にも届かない祈りのカタチ
潮騒に消えて行く
駄洒落と駱駝

レジから吐き出された釣り銭が
ガザよりも もっと冷たいとき
小銭を鳴らして 街を彷徨う
たった一枚の
千円札に賭けている
トランプよりも
リアルな魔法の紙

これで何が買える?って
北斎に聞いたら
あくびした猫が
未来以外は
何も買えねえよにゃあ
だってさ

投稿者

東京都

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