無題、8月、2

叢雨を
なぎたおす
台風の来ない
窓へ

風が吹くとき

それでも
窓を叩く音が
隙間から染み込んで
砂が石になっていく

秒針を
あわせようとする
ちくたくと
この指で
砂のない時計を

叢雨を
なぎたおす
台風がこない夏稲子が生吹いた
さかさまに
砂を詰め

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