枯れた百合の花が揺れ
茶色くなった筒先から
種をこぼす
 
産み出す悦楽
産み行く苦痛
 
カラカラと
音を立て
 
こぼれた種は微睡む
いつかの未来に
芽吹くことを夢見て
 
風雪を経て
 
常に実を結ぶと
約束された物語は無いのに
何度も繰り返し
芽吹き
花を咲かせ
 
育ち行く不安
伸び上がる甘美
 
笑いあい出会いを重ね
裏切られて失望に涙し
縁を紡ぎながら
私たちも生を重ね
 
種を蒔く

投稿者

愛知県

コメント

  1. 縁の紬が見えたように感じました。特に導入からの流れが良いなあと思いました。

  2. @腰国改修/降墨睨白島 さん、コメントありがとうございます。
    流れが良いと言ってくださってうれしいです。

  3. こぼす→産み出す→産み行くという自然な流れに生命の誕生我重なりましたよ

  4. @腰国改修/降墨睨白島 さん
    命の流れは、いろいろあっても続いていくのが不思議だなぁ、と思ってます。
    悲惨な事件もあり、悲しい過去もあり、今も続く悲しさもあり、どこかで生まれる喜びもあって。
    少しでも言葉で掬い上げていきたいですね。

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