リフレイン

繰り返しの記号に縛られて
飛べない鳥を風にのせる日
ひかりの粒を追いかけるのは
あかい音色

呼び声がひびいて
確かにひびいて
視界を覆う
黒い雲のつらなり

ひろがりの記憶
ぼくたちがうまれた場所
あたたかい体液が
混ぜられた温度

澄んだ水の底に
ささやかに
ささやかに
積もるのは粉々の涙

飛べない鳥を風にのせる日
歌うのならかなしみの歌を
折り重なった
あかい霧を祓うための

包まれてゆけよ
沈んでゆけよ
どこまでも続く
この繰り返しの世界で

投稿者

東京都

コメント

  1. できなさや不安や悲しみも、生の始まりから広がる世界で、ただ繰り返されるということを受け入れて血肉に浸ませて生きていくんだという繊細さを湛えた力強さのようなものを感じました。飛べない鳥も風にのせる主体も同じ自分なのかも知れないと思って読みました。

  2. この詩を拝読して、繰り返される この世界のふしぎを思いました。そういう思いを思い起こさせる力が、この詩にはあると感じます。

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