雪景色の温度
雪がしんしんと降り積もる
手の甲に触れて 初めて温度をなした一つの結晶
じわりと冷たく溶けてゆくその姿は
どこか儚かった
辺りは吹雪を舞い 寒空は容赦なく降り注ぎ
まるで雪の世界に一人取り残されたようだ
上を見る 鼻先に触れる
ひんやりと心を溶かしていくような感覚
「もう家に帰ろうか、温かいスープが待ってるよ」
その言葉に胸が温かくなり 景色を後において私は走っていく
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