夏の朝

ああ、目が覚めてしまった。と
 
覚めるまで
見ていたはずの夢は
思い出せなくて
体の怠さに
起きるのをためらう
 
夏の朝
外はすでに明るく
蝉の声が一面に
鳴り響いている
 
カーテン越しに
差し込む光は眩しく
まとわりつくように暑く
 
眠りの国は
既に遠い
 
夢に見た幸せなんて
干からびて消え
 
飢えた心を抱えて
布団から
這い出して
 
容赦なく始まった一日に
呆然と
向き合うのだ。

投稿者

愛知県

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