肯定
あなたのことが好きだと言う代わりに
翼をばたばたさせてくちばしをかちかちいわせ
棒のような黄色い脚を曲げたり伸ばしたりした
私もあなたも大体同じぐらいの人間で良かった
夜目が利く人間なんて人間とは言わないよ
意外と常識人なあなたは不安げにそう首を振る
鼻が利く人間なんて人間辞めたようなもんだよ
余裕がなくてどこにも長居出来ない私が答えた
四脚を三脚から二脚にして最終的には一脚に
不気味の谷とバカの山を越えなければいけない
遠く繋がっている筈の友の所まで空を渡る
暖かい冬の楽園まで休まず羽ばたかなければ
そこに着いたら今以上に苦しいかもしれないね
青い目を同じ色をした空に向けながらあなたは
ありきたりな不安を口にして私の返事を待った
ただそれだけの為に私は、ただ「うん」と言った
コメント
あなたも私も渡り鳥になって、本能が帰る場所を探しているようでした。
たちばなまこと/mさん
そうですね。
人間にも帰巣本能があるから、伝承でいう「楽園」を数多作り上げては目指すのかもしれないです。
コメント有難うございます。