「気配」と「響く」

「気配」と「響く」

(気配)

気配が

ある

姿なく

いる気配

夢ではない

すぐ傍に

いす

歓びが

思い出す

哀しみ

時を

まとった

懐かしいひとの

気配

詩人:谷川 俊太郎 / 写真:北杜 アトム 

✳︎✳︎✳︎

響く

スレイト屋根。
懐かしい。
暑い。
寒い。
煩い。
怒鳴り声。
親方。
溶接。
グラインダー。
仲間。

スレートも、もうない。
親方も、もうない。
相方も、もうない。
自分も、もうない。
ただ、グラインダーだけ、響いてる。

詩人 / 写真 : 北杜 アトム 

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 谷川俊太郎さんとのコラボなんですね。
    後半のアトムさんの「響く」は
    とても心に響きました。
    なくしてしまったものたちの
    鼓動や息遣いの残像が
    切ないと感じました。

  2. @たけだたもつ

    「残像」と「鼓動や息遣」・・・

    さすが。
    嬉しいです。

    「残像」特に「夏の残像」嬉しいです。

    モノクロってのは面白いですよね。

  3. こんにちは。
    最後の1行、鳥肌がたちました。
    写真、それまでのことばが
    生きているからかな、と思いました。
    生きている、よりひびいてるから、の方が感じたものに近いかもしれません。
    好きな画詩です。

  4. @wc.
    様。

    ありがとうございます。

    私は経営者(職人)です。
    私は相方が工場で自殺しました。

    それから東北地震。
    それから脳梗塞になりました。

    もう9年です。
    いい「良い・善い・好い・佳い・」思い出です(笑)

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