気づいたら私は

理由のない事に理由を求めて
冬が何故寒いのかと尋ねられ
冬だからと答えるくらい
私はあやふやになっている

気付けば何か大切なものを失っていて
気付けば何も覚えていない
足跡もない雪の上
吹雪に嗚咽はかき消され

意味がないものに意味を求めて
前ばかりしか見えていないから
後ろや横や上下を見ない
私は愚かになっていく

気付けば何にも私は持っていなくて
気付けば全ては雪の下
無限の荒野を駆け抜けてみたい
嵐にこの身は砕かれて

気付けば私は1人で立っていて
ぼんやりと闇に溶けそうに
気づいても遅いから
気づかないふりをする
今日も私は雪の下

投稿者

奈良県

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