葬の花
春香る、花を買う、降りつづく舐めた雨、喋りつづく舐めた口、刈りとられる言の葉、絶命した猫がいる部屋、そこにしかれてある絨毯の模様とおなじ刺青、数字を集めることに躍起になっているうちに頭が貯金箱になった街の人間たち、避妊目的に割る錠剤の形をした月、肥大してゆく空は、もうどうしようもない、勝手に動く右手、どうしようもない、きっと自分は第三者に遠隔操作されている、政府、もしくは広告代理店、まさか神か、しらないが、勝手に動く右脳、先刻ひらめいた詩案を、しらねえ野郎が抒情詩として隔月刊誌に発表している、自分はかならずそいつに思考盗聴されている
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