12年後の妻
マイホームのローンも繰り越し返済で早々に払い終わり、ある程度、余裕のある生活をしている私。息子を喜ばせるために、メダカを飼っている水槽に川で釣った鯉を入れる。餌をあげるのだが全て鯉が食べつくしてしまう。そんな平凡であるが幸せな日常を壊す出来事がいきなり起こる。街中に現れた無差別殺人鬼に息子が刺殺され、妻はバーナーで顔を焼き殺されてしまったのだ。私は逃げるように何故か自宅に戻るも鍵は妻が持っていたため無理やりドアをこじ開けて中に入る。そこは以前のインテリアはなく昭和中期を連想させる佇まいだった。絶望した12年後、自宅には年老いた義理の両親、息子、妻がいた。妻は53歳と今の私と同じ歳になり笑顔で私の顔を見る。そこで目が覚め夢だと気づく。妻は前職をパワハラで辞め、新たに板金屋の事務員として本日初出勤するのだ。目覚めの悪い朝であるが手弁当を持たせ妻を見送る。
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