しぐれ未満
今日のような
グレー色した雨の朝は
ふらふらふらとどこまでも歩けそうで
均等に立つ彼岸花たちが こっちはあぶないよと見つめてる
やさしい気持ちが見える表なら
裏にあるのは かなしい気持ち
つーっと真っ直ぐきれたなら
やわらかいものを 当てて
ことばにもクッションを
わたしは今日
ストライプの薄い綿シャツを着ているよ
背中にアラビア文字みたいな小さなステッチのある
そんな事はどうでもいいけど
合わせようとして空回り仕様
ああ 晴れていたら
傷にしみながらも ほほ笑めたかも
ホクホクのおいも食べたいな
雨に濡れてもいいから
始まったばかりの秋のベンチに
はり詰めたトートバッグを置いて
コメント
寂しさ、があるのに、読後感はふわっと心が軽くなるような感じがしました。今日も1日、頑張ってみます、という気持ちになります。
なんとなくですが、発話者の優しそうな表情が見えた気がしました!
各節に一点ずつ、鋭利な感じがあって、それがことばのやわらかさでは消せないような雰囲気が、悲しい!!(笑)
なんかこの世界ってことごとく人の思いやりを踏みにじってきますよね……と、そんなことを考えてしまいました。
でもそういうときに、この作品の「わたし」みたいな人が隣にいたらいいなと、マジで思いました!
@たけだたもつ さん
コメントありがとうございます。
なにかしら「弱ったな」というときに(間にあってほしいなと)届けたい気持ちで書きました。
小出しにちょこっと頑張る、程度で。
@「寤寐」 さん
コメントありがとうございます。そうですね、ことばはさまざまな形をしていて、時には何を言われてもグサッときたり、逆にふわっとなったり・・・不思議です。だからこそまずはことばと自分が仲良くありたいです。
「わたし」は案外いちばん近くにいる人かもしれません。
色んなことを感じてくださって嬉しいです。