
獣の涙・・・「居場所」
くらし / 石垣 りん
食わずには生きてゆけない。
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった。
ふくれた腹をがかえ
ロをぬぐえぼ
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙
詩人:石垣 りん / 写真 :北杜 修羅
✽✽✽
居場所 / 北杜 修羅
ハンセン病、国立療養所多磨全生園に来た。
本当に癒される。
しかし。
いつも。
カメラが、ブレてる。
沢山、溢れて仕方がない。
それが、居場所だ。
写真と。
詩人と。
本当にほっとする。
俺も人間だ。
俺も優しい・・・だと思う。
ありがとう。
写真 / 詩:北杜 修羅
コメント
国立療養所多磨全生園は私も縁があって、慰問に訪れたことがあります。
貴重なお話を聞くことができました。
様々な宗教施設があって歴史の重さを感じました。
帰るところがないなら、せめて心だけは帰るところを、という思いなのかな。
@たけだたもつ
様
ずばり「せめて心だけは帰るところを」そういうことです。
僕は、人間の本性は、優しいと思います。