同様/童謡

山猫の、なぜなぜ?
昔から、知っていた?

お天気雨は、次第に晴れて
雲が雲を 追い越していく

気持ちにのまれて 待ちぼうけなんだと
あきれた顔で 抗議するあなた

とげとげの、ハリセンボンを
飲ませようって、相談したね

あなたの顔から、笑顔が消えても
わたしはたまらず 呆れるままよ

ああ、幸せのそよ風
たくらみもない 野原に吹く……

──

ざりがにの、甲羅よ
いつだって、知っていた?

吹く風そよぎ、しだいに暮れて、
秋が秋を たばねていく

ごめんねを言って 損ばかりだと
かなしい顔で 涙ながすよ

いがいがの、栗を600こ
こがらし山から、とってきたね

わたしの顔に、なみだが線引き
とてもかなしく みそこなったよ

ああ、うれしさの北風
秋風の野に くるくるする……

──

ああ、楽しさのくに
やどかりの殻が たわごとを言う……

彼女の顔に 笑いがおきて
ひとはみんな 幸せだったさ
ひとはみんな お天気だったさ

https://www.mureka.ai/ja/song-detail/VjjdJSDu8XLDqLtGDBtbYJ?is_from_share=1

投稿者

宮城県

コメント

  1. 赤い鳥が小さな鳥籠から逃げたころからか
    童謡が動揺して土用のうなぎに飲まれた日

    焼き鳥を狙った猫が悪いつて知っていたけど
    ぼくなんかはけっこうさばさばした気持ちで
    散らかっていた縁側を片付けていました。
     
    あの当時を思い出して調べていたら
    すでに更にはるかむかし、芥川龍之介は
    「私は詩人じゃありません」って、言っててね
    純文学の神さま仏さまは「違う」と思いました

    今も童謡はあるけれど、なんなのかな?
    やはり大正デモクラシーの頃の童謡が
    一番、童謡が輝いていたころなのかな

    今、ぼくたちはネット詩人なのだと
    まだ胸を張って公言できないけれど
    それでも、むかしの童謡のエキスは
    みんな理解しているのではないのかなと
    相手のことも知らないで
    勝手に思っているだけなのかな

    鳥がいなくなった東京の空は
    やけに人工的だなと感じながら

    それでもどうでも、今週もがんばろうと
    貴殿の作品を読んで今朝も誓うのでした。

    ほんとだよ
    ありがとう

  2. @足立らどみ
    様。難しい感想ですが、ありがとうございます。大正デモクラシーのころですか、童謡の歴史にそんなに詳しくもありませんが、いろいろとすさんだ気持ちでも生きておりますので、たまには澄んだ童謡を……と思ったというのはあります。悲しくはあってもいいけれど、やっぱり澄んでいたいかなという感じがします。

  3. 全体的に素敵なのだけれど、特に最後の

    ひとはみんな 幸せだったさ
    ひとはみんな お天気だったさ

    は秀逸ですね。
    人がお天気、というだけでウキウキします。

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