きづかないまま

水面が照らす光の道を渡って
あなたに会いに行く
紫白帯が風にうねって
しましまの大きい魚みたい
迷い蟻のわたしたちはそろそろと集まる

ここまで来るまで
傷つけ続けてきたと思う
斜線をのぼって
そのまた斜め上から鳴いてかける声
箱の絵になりそうな背景は
まだ遠い、めまい

「いただく」罪と欲を
かき集めて
味噌汁を炊く
となりの薬缶に写る 疲れ顔のわたしを
あなたがこっそり見に来た気がした

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