所在
右、心房に届く
夜明けの海を
寄せては返す
ブランコたち
知らない
光の
所在なんて
笑う唇の端に
救急車のサイレン
初めてキャベツを
買った日の静けさ
何も無い
代わりに
うがいのように
話す
生理食塩水の
片隅から
つま先へと
落ちていく重力
折れた草の続き
光が光になる時の
ささやかな産声
それは時雨れた
ある日のことでした
皮膚に包まれた
柔らかな体温でした
振動する呼吸の中で
手を使う
花を
摘むだけなのに
右、心房に届く
夜明けの海を
寄せては返す
ブランコたち
知らない
光の
所在なんて
笑う唇の端に
救急車のサイレン
初めてキャベツを
買った日の静けさ
何も無い
代わりに
うがいのように
話す
生理食塩水の
片隅から
つま先へと
落ちていく重力
折れた草の続き
光が光になる時の
ささやかな産声
それは時雨れた
ある日のことでした
皮膚に包まれた
柔らかな体温でした
振動する呼吸の中で
手を使う
花を
摘むだけなのに
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コメント
全体的に、あいかわらず、すてきな詩。
光が光になる時の
ささやかな産声
特にここが好きです。こころで、おおっ!ってなりました。
あたらしい、はじまりの呼吸、息をしている、生きているんだという認識が個々にあって
まっすぐな振り子が弓なりに流れるような
温かい波を感じました。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。
確かに、件の箇所はこしごえさんの詩の源流に通じるものがあるかもしれませね。生命が匂い立つところ。
@kフウ
kフウさん、コメントありがとうございます。
まっすぐな振り子が弓なりに流れる、というのはいいですね、なんかスタン、と胸に落ちるものがあります。