異郷の空

夏を過ぎ秋に沈みゆく空は
入り日に茜の影を残して
一息の間に力を失い
ひた迫る夜闇
 
ふと浮かんだ表現は陳腐で
心を空滑りして消え
 
街灯りを離れ
訪れた土地で孤立した夜に
まとわりつく闇
砕かれ撒かれた星たちの光が
ざらつきひしめく音は
静寂に重くのしかかり
 
闇の重さに打ち砕かれ
自己の境界は破片となって拡散し
 
取り残されたちっぽけな核が
この夜の底で縫い留められて
 
見上げる星空

投稿者

愛知県

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