告解
私が貴方に別れを告げに行く時
決まって皆は誤解する
逢いたいのだと
逆である
もう逢いたくないので
別れを告げに来た
私と貴方の因縁は相当だ
私は考えたくない
誰も知らない程近くにずっと居たなんて
それをまるで
小学校で隣に座っていた子のように
はしゃいでいるとあしらわれても困る
“はしゃいでいる”だけで済ませたい
私の下手な芝居に踊らされる彼らの姿も
もう飽きてしまった
貴方はずっと私を見ている
私が誰に抱かれている夜も
息すら衝かないで
そのことをきちんと書いておきたい
恐ろしく深いところに流れている
言葉の赤い流れに巻かれただけなのだと
私は貴方に別れを告げに来たのだ
見えないくらいに掘られた階段を下り
二度と誰の目にも触れない所へゆく為に
皆分からないのだ
運命が見えない
選ぶ権利すら与えられない人間の哀しみが
私は貴方が好きである
弄ばれるだけの道具に必要だから
好いていなければならないのである
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