冬のおばあちゃん
スマホの画面の中で
可愛らしいおばあちゃんが
口をもごもごしている
私のおばあちゃん
呼びたくなる
私のものだったのに
いつしか
誰のものでもなくなった
おばあちゃん
みんなのものになって
知らない人たちの手が一日に何度も触れる
一分をやり直しながら
一日過ぎて
一年がまた過ぎようとしている
そっちは雪が降っているけれど
お部屋は暖かそう
なにが好きだったの
どんな人をどう愛したの
嬉しかったことはなに
悲しかったことはまあいいや
今はどんな気持ち
どんな気持ちもないか
ずっと昔
私はおばあちゃんのものだったのよ
赤ちゃんみたいにぽやぽやとして
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