ピイピイチュルチュル

「 ピイピイチュルチュル」

軒をつたう長雨の音が
ふるさとへと流れてゆく

もう二度と戻らないと約束のあの山に
雲雀は今も鳴いているだろうか

都会に憧れピイピイと
夢を広げてチュルチュルと
青い心に高く高く舞っていたあの頃

帰りたい 帰れない

雨だれに濡れながら
老いた雲雀が泣いている

流れる「時」にさまよう
ピイピイチュルチュル

褪せたブルーの街角で
忘れられた傘のように

差す宛てもなく濡れている

投稿者

長野県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。