草柄の筒袖を振り捨てて

「裸足の故郷」 觜川おん

裸足の故郷
見覚えの在る夏、よ

未だ遠い日の秋は
草柄の筒袖を振り捨てて
遠い遠い秋の日、
故郷の鱗は
昔年の想い人へと変化、をする

終はりのない東京へ
何時も暮らして居た
月影の往来へ
銀の筒袖をふる あなた

 いますこし
慕わしき日々に帰るだけ

この寺院に、雨が止むまでとはしつつも

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