画面の向こうで

指先が触れるたび
世界のどこかで誰かの声が
静かに光って流れていく

賑やかなタイムラインの中で
私も小さな言葉を投げる
届くかどうかもわからないまま
夜の海に石を落とすみたいに

いいねの数で
自分の価値を測りかけて
誰かの幸せな写真に
胸がざわつく日もある

でもふと気づく
その光は
誰かの孤独がつくった
ささやかな灯りなのかもしれない

画面の向こうで
誰かが笑って
誰かが泣いている
そして私もまた
その中のひとりだ

だから今日もそっと言葉を置く
飾らない短い本当の気持ちを
誰かに届かなくても
まずは自分自身に届くように

投稿者

京都府

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。