冒険者
とうとう”普通“から外れた
安心感は消え
しがらみも消えた
水の流れのままに
彷徨う一枚の木の葉
このまま水底に沈むかも知れない
陸に打ち上げられるかも知れない
それでも
大海を目指さねばならない
自分の海を、自分で選ばねばならない
”普通“であることから外れた
心は悲嘆に暮れる
要らぬ苦労を背負わせたくはなかった
自由、と引き換えに
自分で切り開かねばならない
独り、歩まねばならない
誰も助けてはくれない
解放である
下を向いて、笑顔を浮かべるがいい
あれほど、嫌がっていた
”普通“の列車を降りた
生死を賭けて、未来を全乗せして
この選択をした
”普通“を捨てて
その歳で、荒波に向かう
良いだろう
世の中の
不合理、偏見を受けるだろう
誰も助けてはくれない
地面に這いつくばり
人間の非情を知る
船に乗ったままの友人たちが
すいすいと
上に昇るのを目の前で見て
不公平
持てる者たち、持てない者たちを
その身で知るだろう
そこで歪むのか
真っ直ぐに、大海を目指せるのか
冷淡な大人たちが
薄笑いを浮かべて見ている
これが世の中
厳しさの洗礼を浴びて沈むのか
惨めに、情けなくとも
ばたばたと、手足を動かすのか
もう、見ていることしか出来ない
貴方は、私の腕の内から
巣立つ選択をしたのだ
条件は最低、賭けるものもない
それでも自由がある
さあ、元気よく羽ばたくことだ
その拙い翼を広げ
大空へ飛び出せ
汝は冒険者なり
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