透明なざわめき

朝、目が覚めると
胸の奥で
知らない風が
そっと揺れている

理由はない
けれどその風は
今日という日の
形をぼんやりゆがませてしまう

コップを持つ指先が
ほんのわずか震える
だれにも見えないほどの
かすかな揺れ

大丈夫と声をかけても
言葉は表面をすべって
中まで届かない

不安は影のように
足元にぴったり寄り添い
歩くたびに
形を変えてついてくる

でも
その影の内側にも
小さな光の粒がある
ゆっくり息を吸えば
ほんの少しだけ
影が薄くなる瞬間がある

その瞬間を
私は今日も
そっと拾い上げている

投稿者

京都府

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。