あなたへの手紙-愛するあなたへ　

(心の小窓を開いて)

　私があなたの虐げられた
愛する真心をそっと掬い上げて差し上げます
あなたは愛される事に不自由なく
これまで生きてこられました
愛され方は
あなたの振る舞いで変わります
あなたは一切衆生の幸福を祈り
無上の慈悲で皆平等に
欠けることのない愛を
分かち合って参りました
そのあなたの心に蟠りを生んだ原因を
そっと取り除いて差し上げられるのであれば
私の御霊をあなたの聡明な頭上に捧げ
諸天を揺り動かす程の
祈りを捧げてまいります
あなたの心の扉を叩いて
飛び出してくるものを拾い集めてみると
悩み•苦しみ•迷いの根本となる感情が
法性の明鏡を曇らせていることが分かります
あなたが何に悩み
何に苦しみ
何に迷われているのか
魔法の言葉でそっと触れて差し上げたいのです
私一人ではあなたの虐げられ閉ざした心を
解き放つ術を持ち合わせておりません
私にあなたの無上の愛をお与え下さいませ
私の未完成の愛が触発される術を
もうあなたはご存知な筈です
私が無上の愛を目覚めさせる為に必要な
生命の輝きをあなたはお持ちなのです
此の宇宙の森羅万象の陰影に魅せられ
箍を外してしまった私の朧な感性を
包み隠さずあなたの御城に献上し
あなたの情熱で煮えたぎった生命の欠片を
あなたの胸の内におしまい下さいませ
私はあなたの悩みの欠片にほんの一瞬でも触れ
あなたの涙を諸天のみ座に捧げ続け
あなたの清浄な生命に永遠なる輝きを
与える使命を誓願し続けました
あなたの苦しみの欠片を
ほんの一瞬でも触れさせ給えと
深き祈りを捧げ絶やしたことはありません
私があなたの迷いの因果となっていることは
私の不本意な産まれながらの業なのです
あなたが三つの宿業を
お一人で背負いになられたことが
私の罪なのです
どうか私の叩いた小窓から
そっと芳しい美酒を私の罪深き
生命の欠片におかけくださいませ
私が清浄な生命に昇華した姿を見せることが
私の唯一の贖罪なのです
あなたを愛する私に
魔法の言葉を唱えさせ給え