道行

朦朧と酷暑の路傍に
アッコちゃんのお面をかぶる幼女
内股に刺さっているのは
卒塔婆だ

向日葵は軒並み太陽に歯向かい
夾竹桃は鮮血を噴き上げ
幼女と周囲から色彩を奪う

おまえは誰の子かどこの子か
でも言わないでくれ
預言を聞かずに済むなら
アッコちゃんの漆黒の二つの穴に
怯える私が映る

静寂は音を立てて寄せ
私の背丈を超える
蝙蝠は道行を言祝ぐ

陽射しはやがて濡れそぼり
私から魂を吸引する
幼女の液体が代わりに満ちる

すぐ被虐の磁場から去ろう
波打たない幼女の
輪郭が蒸発する前に

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