霧の託宣

序歌(よ歌)
山に立ち
空寒みして
霧しぐれ
道を閉ざして
神の声聞けり

本歌
一 兆し — 旅人の歌
空寒み
別れの言(こと)も
なく沈み
石と蕨に
霧の道消ゆけり

二 声 — 山の歌
吠えずして
姿を隠す
灰の衣(きぬ)
背に冷え走り
許されぬ道し

三 戒め — 里人の歌
火を留(とど)むな
苔の石には
名を呼ぶな
夢見る山は
眠らず聞けり

反歌
霧落ちて
帰らぬ人を
空が呑み
古(いにしへ)の神
眠らず待てり

投稿者

東京都

コメント

  1. 詩人は改行することにも「意味」を求めてしまうのかもしれないけど、、、

    この作品をよむと、改行はリズムのためだけにあるのだと、清々しさ
    すら、感じてしまいました。

    ありがとうございます。

    なんだかうれしいです。

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