積み木
見事積み上げたと安堵したのに
窓の隙間から吹き込む風に
すっかり油断していたな
積み木の塔は半ば崩壊
いよいよ塔を囲む塀に
着手するところだったのに
色や形を工夫して
理想的に仕上がっていたのに
ここまで崩れちゃ再現は困難だ
窓を少し開けた時から
崩壊は決まっていたのかな
人生の綻びも
些細なことで生じるとしたら
余程用心深く生きる必要がある
しかし、まさか、
窓の隙間が問題になろうとは
ふと風を入れようと
窓枠に手を掛けた時点では
思い及ぶわけがない
人生の躓きが
何気ないことで引き起こるなら
余程慎重に歩まざるを得ない
まさか、そんな、
ひとつひとつの事象の行く末を
見通すなぞ出来ようはずがない
崩れ落ちた積み木を
その都度
拾い上げるよりないではないか
繰り返していれば
いつかは積み上がるのか
疑いながら
いつまで繰り返すことができるのか
ひとつ明らかなのは
積むことを止めた先に
塔は存在しない
それだけは分かっている
それだけしか分からない
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