ブラッドイーグル

月が裏がえる

鳥が飛び去っていく

ぼくの背中を鋭い刃物が切りひらいて

肋骨をいっぽんずつ折り取って

まだ脈打つふたつの肺を両の肩にのせる

つばさのかわりに

飛び去った鳥のかわりに

最初からそこにあったみたいに

いのちがいのちでなくなるなんて

ほんとうはたいしたことじゃないかもしれない

みんなぶっ壊れて

しまえばいい

ぼくのつばさは羽ばたけないまま

隠すほどの痛みもなく

銀色の光をめんどくさそうに沿わせている

投稿者

東京都

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